●円高になるとき
2024年3月16日(土) 19時52分 カテゴリ: 経済
こんにちは 山邊です。 さて、今日はこれから後 どういうキッカケで円高が進むことになるのか そのシナリオについてお話ししたいと思います。 為替が動く要因は複数ありますが 大きなトレンドを作るものに 貿易、金利、通貨発行量があります。 ドル円で考えた時、 短期間で大きく貿易量が変動することは あまりありませんので 今回考察するシナリオからは 外して良いと思います。 とすると 金利と通貨発行量が大きな要因に なりますので、 政府と中央銀行の金融政策が 大きく関連することになります。 アメリカは今、高金利かつQT(量的引き締め) 日本は低金利かつQE(量的緩和)のまま ですので、金融政策は真逆の状態です。 これが今の円安ドル高の大きな要因ですから この金融政策が動く時に、為替が大きく 動くことになります。 通貨とは「マネー」ですから より多く収益が上がる方向へ動きます。 つまり 金利がアメリカ > 日本なら 日本からアメリカへマネーが流れることになり 日本円が売られ、米ドルが買われます。 よって円安ドル高になります。 通貨量を増やしたり減らしたする QEやQTは、それによって期待インフレ率を 変える手法ですが 多いものは価値が薄くなり 少ないものは価値が高くなる つまり現状は 日本円は量を増やしており、 米ドルは量を減らしている よって円の価値が下がり、ドルの価値が上がる よって円安ドル高 と考えるとわかりやすいと思います。 これを踏まえ、円安ドル高が 円高ドル安へ反転する場合を考えると 具体的には 1)FRBが金利引き下げを行う時 2)FRBがQTを停止し、QEに転じる時 3)日銀が金利引き上げを行う時 4)日銀がQEを終了する時 の4つになります。 ではそれぞれの政策が行われる場合を より具体的に考えてみましょう。 1)FRBが金利引き下げを行う時 米国内インフレが一段落し、 FRBが金利引き下げを行うと 日米の金利差が縮小しますので 円高ドル安へ向かうことになります。 一般的には実際にFRBが引き下げを行う前 FOMCで引き下げになるだろうことを見越して マーケットが金利を下げる方へ動きますので そのタイミングで為替もほぼ同時に動くことになります。 2)FRBがQTを停止し、QEに転じる時 中央銀行による量的緩和は通貨量を増やし 期待インフレを引き下げますので 金利引き下げと同じの効果があると言われます。 現在長短金利が逆転する逆イールドが発生しており 銀行による貸し出し基準が上昇していることも併せて 米国内のM2マネーが急激に減少しています。 これはつまりFRBがQEへ転じる以前に、 短期金利が引き下がり、順イールドにならなければ 市中の通貨量は上昇しないことになりますので QEに転じる前に短期金利が下がることが 必要になるということです。 よってこれが起こるタイミングは、 FRBによる政策金利の引き下げの後に、 QEが行われた場合と考えると良いでしょう。 3)日銀が金利引き上げを行う時 日本国内のインフレが激しく インフレ対策として金利の引き上げを行えば やはり政策金利の金利差が縮小しますので 円高ドル安へトレンド移行することになります。 また、現在日銀が行っているマイナス金利政策を 終了した場合も、金利引き上げと同じ意味を持ちますので 円高ドル安へ振れることになります。 実際のところで言えば、当座預金に対する マイナス金利付与は全体の内のごく一部に過ぎませんので 額的な影響というよりも心理的な影響 ということになると思います。 ただこれは日銀が行ってきた イールドカーブコントロールで 市中のマネーを増やすという政策では 効果的なデフレ対策ができなかったことを 意味しますので 需要喚起のためには 財政政策その他が必要になります。 このあたりは円高ドル安のさらに後で 必要になる知識だと思いますので その後については また別の機会に書きたいと思います。 ちなみに日本のインフレは単なる コストプッシュ型インフレですから ガソリンに補助金を出すのは 教科書通りの正しい政策です。 それよりも政府の旗振りとしての 価格上昇、賃金上昇の流れが 良くも悪くも日本らしいと思いました。 国民の可処分所得が減っている点については 財務省やら厚労省やら、戦犯はいくつか 考えられますが グローバリズムではない、別の社会システムへの 構造転換が必要なタイミングだと思います。 この辺りもまた別の機会に書きたいと思います。 戻りますが、 日銀のマイナス金利政策が終了した場合、 金利引き上げのような効果が出ますので マーケットによる円キャリートレードも 同時に縮小していくことになります。 むしろそれによる円高ドル安圧力の方が 大きくなるかもしれません。 4)日銀がQEを終了する時 世界的な金利上昇のあおりを受けて 日銀の所有する日本国債が多少目減りしていますが それこそFRBなどは円換算で100兆円以上の 含み損が出ていますので、さして気にする必要も ないと考えられます。 現状金利も低いままですから、 日銀がQEを辞めるタイミングは まだずっと先のことでしょうし 日銀の株式の50%を日本政府が所有している 事を考えれば、政府との連結決算を行うことで 日銀所有の日本国債は実質相殺されますので これについて議論することはほとんど無意味 だとも言えます。 諸外国では、グローバルエリートが ほとんどの中央銀行を所有しているわけですが 日本はそれとは事情が違いますので 同列で論じることには無理があります。 むしろその後の金融システムを考えた時 構造的には日本が一番理想に近い構造を 持っていると考えられます。 ここもまた改めて書きます。 5)ドルに対する通貨の信認が薄れた時 先の4つの場合の他、円高ドル安が 大きく進む要因として考えられるのは 「通貨ドルに対する信認が薄れた場合」 になるでしょう。 米国債がデフォルトする、という言葉が これほどリアリティのある意味を持ったのは 過去最高のことだと思います。 これは単にアメリカ政府の財政赤字が 持続可能な範囲を超えてしまっている のではないか、という懸念だけではなく 中央銀行による通貨発行システムと 銀行を通したマネー供給システムの 2つのシステムが行き詰まりを見せており すでに持続可能ではないところまで 冗長性を使い果たしていることに 問題があります。 その具体的な現象のひとつが 昨年2023.3から始まったアメリカの 地方銀行破綻です。 何度か書きましたが、その時の問題は 破綻した金融機関だけの問題ではありません。 破綻した金融機関の抱えている問題と 同様の問題をほとんどの金融機関が今も抱えており 経済環境も悪くなりこそすれ、 「まったく」良くはなっていないのです。 むしろ FRBが銀行いじめとも言えるような高金利を続け、 破綻するところは破綻して良いと言い 商業用不動産のデフォルトが増えている中 BTFPを問答無用で終了してしまうわけですから あえて経済クラッシュを引き起こそうとしている というのは、あながち間違った見方ではないと 思うのです。 意図的か、そうでないかはさておいても 先程の問題はいささかも解決へ向かっていませんので 現状アメリカの経済システムは、 まっすぐ崩壊へ向かっていると言っても 過言ではありません。 グローバルエリートにとっては 米ドルが崩壊したその後、まっさらな状態から CBDCを導入できるのであれば むしろ好ましい、と考えていても オカシクはありません。 とすれば、現状米ドルが崩壊するということは 蓋然性のあるシナリオのひとつである ということができます。 たまに米国債が紙くずになると日本も破綻する なんてことをいうヒトもいますが 日本が持っている米国債は世界最多とはいえ わずか120兆円程度です。 日本国債の発行残高は1000兆円を 超えているのですから たかだか100兆円程度が飛んだところで 破綻なんてするわけありません。 まぁ言い方はアレですけどね(笑) むしろ米国が本当に破綻しそうになったとしたら FRBはさらに金利を「引き上げる」ことに なりますが その時はこれまでのセオリーを飛び越えて 円高ドル安が進むことになります。 前回も書きましたが、円高=株安になりますので 1)~4)のどの場合でも円高、株安になります。 ただ日本国内の影響は、5)の場合が最も大きく 1)~4)までとは比べ物にならないくらいの 株安になるでしょう。 金融含む社会システムの入れ替えを前提にするなら 5)シナリオは必要になるでしょうし それを通して基軸通貨も変わることになるでしょう。 トランプが早期復帰し 1)~5)のすべてのシナリオをすっ飛ばして ドルを金銀本位制へ転換 BRICSへ加盟 金銀価格の世界的な見直し があるなら、5)のシナリオを経ないでの 社会システムの転換もあり得ると思いますが、 それを無邪気に信じるには ちょっと根拠が足りません。 よって個人的には「堅め」の想定で 近未来を考えています。 以上、ヒトによってはちょっと 難易度の高い部分もあったかも、ですが できるだけかみ砕いて書いてみました。 脱線が多いのはいつものことですので 温かい目でご容赦を。 あと、昨日お話しした 「トランプ」と「守護天使」のAI画像ですが 先程より無料キャンペーンが始まりましたので ↓よりダウンロードくださいませ。 私とともに、トランプの早期復帰を 願っていただける方は↓より ↓↓↓↓↓ https://bsto.jp/1/TRUMP.html お守り代わりの守護天使を 持っておきたい方は↓よりどうぞ ↓↓↓↓↓ https://bsto.jp/1/angel.html金融
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