●【速報】34年ぶりの円安から見える金融メルトダウン
2024年4月11日(木) 15時55分 カテゴリ: 経済
ドル円が153円に急落したということで 朝からニュースが流れています。 34年ぶりだとか。 ただそれがどういう意味を持つのか という報道がほとんどないようなので 少々解説をば。 円安と聞くと、輸入物価への直結から 国内物価が上がる =インフレが進む という連想をしやすいのですが それはまぁ正しいです。 日本の国内需要を考えた時 需要増からではない物価上昇は むしろ需要を冷やすのでよろしくはない。 ただ、1円、2円程度動くのは さして珍しくもないので そんな大騒ぎするもんではありませぬ。 それよりも、今回の一連の流れから見えてくる 金融システムへの影響の方が気になります。 おそらくは、ですが 月内、早ければ来週 アメリカの金融機関がいくつか 飛ぶことになるかもしれません。 もちろん保証はできません(笑) という前提で順に解説します。 1)今回の円安は、米CPIが3.5% 上昇したことが原因 2)米CPIが3.5%上昇=米インフレ収束せず 3)FRBの金利引き下げ遠のく 4)米長期金利上昇 5)金利差で円安ドル高 という流れで起きている まぁここまでは報道されています。 しかし問題は、米長期金利が上昇すると 債券価格が下落するということにあります。 そしてアメリカの金融機関は 米国債やらMBSやらを 山のように保有しています。 かつて日本も、アベノミクスの前 都銀も地銀も、民間への貸付もそこそこに 日本国債を大量に買って運用していた時代がありました。 アベノミクスで日銀が山ほど国債を買ったので 今は昔ほど持っていませんが。 しかるに 米金融機関は 今でも 大量に 米国債やら MBSやら 大量に保有、運用しています。 で、金利が上がると その債券価格の現在価値が下がります。 満期まで持っていれば全額返ってくる ということになっていますが 現在価格が下がると 理論上、損失が出ることになります。 この損失はあくまで理論上のものなので 実際にキャッシュアウトしているわけでは ありませんが 会計上は「理論上の損失」も 時価(現在価格)計算して 損失分を計上することになっています。 それが今の「時価会計」というやつです。 簿価会計から時価会計になった経緯 というのはここでは割愛しますが とりあえず今の時価会計では 高金利になると債券価格が下落、 保有債券の時価減少分が損失として計上される という部分だけ覚えておけば良いと思います。 で、この高金利からの債券価格下落 →損失計上&資産減少 →バランスシート悪化 が起こり、 資産<債務=債務超過 というリスクからのバンクラン(取り付け騒ぎ)、が 2023年3月にアメリカの銀行が 複数破綻した流れです。 「信用」で商売している銀行が債務超過なんて 悪い冗談にもなりません。 で、今2024年4月ですが 去年3月の銀行破綻から1年少し経って 状況はさらに悪くなっています。 「流動性危機」という言葉を聞いたことが あるかもしれませんが アメリカの金融機関、特に中小銀行には 今現金がほとんどありません。 銀行なのにカネがない、なんて、 これまた悪い冗談のようですが 3月にBTFPも終了してしまいましたし FRBも金融機関を助ける気なんて これっぽっちもありませんから ぶっちゃけ バンクランが起きたら終わり という状況です。 要は預金者の多くが 「うちの取引銀行ヤバいかも」と思って、 自分の口座からカネを引き出す ことを始めたら終わりということですね。 こういうことを言うと 「そういうネガティブな事を言うな」 という御仁が表れやすいのですが イザその時に、自分の預金がなくなっても 痛くも痒くもないのなら まぁ良いんじゃないでしょうか。 私はイタイですけどね。 ただそれはそれで、そういう生き方ですから 私がとやかく言う事ではありません。 そういう意味では、 日本のメディアが「バンクランの可能性」 について言及しないのは 社会不安の原因をつくらないという点では 良いことだと言えるのかもしれません。 対応は遅れますねどね。 戻ります。 もちろんアメリカの金融機関がどれだけ飛ぼうが、 日本には全く影響なんてない という可能性もあるといえばある。 可能性というのは、例え1%だろうが あれば「ある」ということになるので 完全に否定はできません。 ただ氣になるのは 大幅な円安なのに、円安と同時に 日経先物が急落したことですね。 ご存知の通り、日本は輸出2割ですが 輸出に良い影響のある円安=株高 というマーケット特性があります。 これまで日本株があげあげで 日経平均4万まで行ったのは 円安による影響が「ひじょーに」大きいのです。 まぁ中国のバブル崩壊とか 円安で日本株が割安になったとか そういう要因もありますが 円安で株高 というのはある種、既定路線のようなものです。 しかるに、今回の 米の高CPIからの円安ドル高、では 日経平均が急落しました。 これは日経平均だけではなくて ダウCFDも イギリスも ドイツも フランスも イタリアも スイスも ユーロ50も 全部同じタイミングで急落しています。 ということは 市場は米長期金利からのリスクを 世界中で同じように捉えた と理解べきである、ということですね。 つまり 米金融機関が抱えるリスクが 米国内に留まらない可能性 をマーケットは感じているということです。 もちろん、あなたが 「いやいや日本は大丈夫だって」 と思うことも自由ですし マーケットが間違っている可能性もあります。 ただ個人的には これまでいろいろお話ししてきた通り ファンダメンタルズで考えて ペーパーマネー経済は早晩行き詰まる と考えていますので いよいよ来たか というのが正直な感想です。 個人でできる対策についても 随分お話ししてきましたので 私のメルマガを読んでいただいている方は 皆さん大丈夫だ、と信じたいですが もしまだ充分ではないと思われるようでしたら まだ幾分、動く時間はあるでしょうから 動けるときに できることを やっておかれるのが良いと思います。 日本民族には、他の民族にはない YAP遺伝子というのがあってー という話も聞きますが その辺はよくわかりません。 ただ同じ日本民族として 日本人が生き残る可能性を少しでも上げたいと 日本人が世界で活躍できる機会を少しでも増やしたい と思っていますので 皆でたくましく、楽しく 生き残っていければと思っています。 ということで短いですが 速報がてら今日はこの辺で。 ではまた 山邊 PS 「実体のある資産」が最強! の時代はもうすぐです。 その時、 肩書、とか 学歴、とか テストの成績、とか そういうのは泡のように 消えていくでしょう。 良い時代になると思いますよ。 アメリカ金融
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